top of page

変形性膝関節症患者における「膝の曲げ伸ばしが制限される歩行」の要因を報告 Journal of Orthopaedics | オンライン公開:2024年11月22日

変形性膝関節症(Knee Osteoarthritis, KOA)患者において、膝の曲げ伸ばしが制限される歩行(Stiff Knee Gait, SKG)」の原因を探る新たな研究が Journal of Orthopaedics にて発表されました。この歩行パターンは、KOAの症状を悪化させ、生活の質を低下させる可能性があるものの、これまでに、その要因は十分に解明されていませんでした。


本研究は、本学大学院保健医療科学研究科の遠藤直人氏(指導教員:河野豊教授)によって行われました。リハビリテーションを受けるKOA患者21名を対象とし、歩行時の膝関節の角度に基づき、「膝の曲げ伸ばしが制限される歩行」がみられるグループ(SKG+)と、みられないグループ(SKG−)に分類され、痛みの強さ、大腿四頭筋の筋力、膝関節の可動域(ROM)などが評価されました。


本研究の結果(SKG+群の主な特徴)

  • 膝の痛みが強いこと

  • 大腿四頭筋の筋力低下

  • 膝関節の可動域の減少


これらの結果は、SKGがKOA患者の生活の質に悪影響を及ぼす可能性を示しており、痛みの管理、筋力強化、膝の可動域改善を重視したリハビリテーションが、SKGの改善やKOAの進行抑制に効果的となることを示唆しています。


本研究の意義

KOAは高齢者における主要な障害原因の一つであり、SKGは日常生活や移動能力に大きな影響を与えます。この異常歩行の原因を理解することは、患者の歩行自立の向上や、将来的な人工膝関節置換術の必要性を軽減する効果的な治療法の開発につながると考えています。


論文情報

論文タイトル: Factors Associated with Stiff Knee Gait in Patients with Knee Osteoarthritis

著者: 遠藤直人、青山敏之、山本哲、石橋清成、石井大典、河野豊

DOI: 10.1016/j.jor.2024.11.017


Comments


bottom of page