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地域在住高齢者に対する運動と教育を組み合わせたプログラムの効果に関する論文が公開されました!

超高齢社会となっている日本では、高齢者の健康寿命の延伸のための効果的な方法を開発することが不可欠となっています。

中でも、運動をすることは、高齢者の身体機能の向上と健康寿命延伸に有効な介入であると報告されています。また、社会参加も高齢者の健康寿命を延伸する重要な要素であす。社会参加が高まれば、認知機能が維持され、抑うつ症状が軽減され、高齢者の認知症発症のリスクが低下すると報告されています。

私たちはこれまでに、1回80分のセッション/週、5週間の運動と教育を組み合わせたプログラム(Combined Exercise and Education program;CEEプログラム)が、高齢者の身体機能と社会参加を改善することを報告しました(Yamamoto,et al. 2020)。しかし、CEEプログラムによる社会参加状況の向上は、長期間持続しませんでした。この理由の一因として、CEEプログラムの期間が短かかったことが考えられました。また、集団の凝集性(集団のメンバーを1つにまとめる求心力・帰属意識)は、小集団ほど高いことが報告されているため、小集団で行うプログラムであれば、向上した社会的参加状況を維持できる可能性が示唆されました。

そこで本研究では、以前の研究(Yamamoto,et al. 2020)から参加者数を半分にして、さらに長期間実施したCEEプログラムが、高齢者の身体的・社会的関与に及ぼす影響を検討しました。

その結果、CEEプログラムによって、参加者の身体機能の向上が認められましたが、社会参加には効果がみられませんでした。これらのことから、高齢者の運動能力および社会参加能力の向上効果を最大化させるためには、CEEプログラムの期間よりもむしろ、頻度を高くすることが必要であることが示唆されました。


【掲載論文】

Yamamoto, S. Ishii, D. Ishibashi, K. Okamoto, Y. Kawamura, K. Takasaki, Y. Tagami, M. Tanamachi, K. Kohno, Y.

Combined Exercise and Education Program: Effect of Smaller Group Size and Longer Duration on Physical Function and Social Engagement among Community- Dwelling Older Adults.

J Aging Res & Lifestyle 2023;12:56-60


【全文】

本論文はオープンアクセスとなっておりますので、是非ご一読ください。



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