茨城県立医療大学 理学療法学科 宮田助教が行った研究が論文として日本リハビリテーション医学会の和文誌に公開されました.本報告は,評価尺度の解釈として近年,注目されているMinimal Clinically Important Difference(MCID)について2つのバランス評価尺度に関するシステマティックレビューを行い,現状および問題点を明らかにしたものです.Mini-BESTestでは4編,BBSでは6編の論文が抽出され,MCIDはそれぞれMini-BESTestが1.5~4.5点,BBSが3.5~6点の範囲でした.MCIDは疾患や病期,介入期間などで値が異なってくるため適応可能な疾患は限られますが,今回得られた値は介入効果を判定する一助になるものだと考えられます.また,両バランス評価尺度ともに少ない論文数であったため,今後は日本のリハビリステーションの状況を反映するMCIDを計算していきたいと思います.
【掲載論文】
宮田一弘,朝倉智之,篠原智行,臼田滋.Mini-Balance Evaluation Systems Test とBerg Balance Scale のminimal clinically important differenceの検証―システマティックレビュー―.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 2021; 58: 555-564.
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