アウトカムリサーチ領域
本研究領域では、リハビリテーションで用いられるアウトカムメジャー(パフォーマンステストや質問紙)の検証や開発、臨床活用に関する研究を行っています。実際に疾患等を有する方を対象とした臨床研究であり、各種報告ガイドラインに準じた質の高い研究を目指しています。
研究テーマ
【アウトカムメジャーの尺度特性の検証】
アウトカムメジャーは臨床で用いるためには、十分な妥当性・信頼性・反応性・解釈可能性を有していることが条件となります。そのために、本邦や諸外国で開発されたアウトカムメジャーについて、国際ガイドラインであるCOSMIN(Consensus based standards for the selection of health measurement instruments)に基づいた検証を行っています。
【MCID(Minimal Clinically Important Difference)やCutoff値の計算】
臨床場面では、アウトカムメジャーの得点等の解釈がとても大切です。解釈を助けるためにMCIDやCutoff値という形で得点に意味を割り当てる研究を行っています。MCIDは「臨床的に意義のある最小変化量」であり、この値を超えると意義がある変化(少なくとも最小の)があった解釈できる値です。Cutoff値は馴染みがある方が多いと思いますが、転倒リスク、歩行やADLの自立などを判別するアウトカムメジャーの特定の値になります。これらの値を明らかにすることを臨床的な意思決定を支援することを目的としています。
【臨床予測モデル(Clinical Prediction Model)の開発】
アウトカムメジャーの活用の一つに予後予測があります。予後予測の研究は①予測因子を明らかにする研究と②予後予測モデルあるCPMを開発・検証する研究に大きく分けられます。リハビリテーション分野では近年、整備された国際ガイドラインであるTRIPOD(Transparent Reporting of a multivariable prediction model for Individual Prognosis or Diagnosis) statementに準じた報告は多くなく、これから質の高い研究が実施され臨床で使用できるCPMが期待されます。